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見晴らし堤の家

近年、地球温暖化による局地的な豪雨による洪水被害のニュースを頻繁に耳にします。

本敷地は吾妻連峰(奥羽山脈)の扇状地にあり、一級河川の支流沿いで合流地点の上流に位置します。

この辺一体では今まで水害にあったことは無いが想定外は許されません。

基礎の高さを敷地から+105cmに設定し堤防となるよう高基礎にしました。

設定の根拠は、河川の対岸が氾濫原(低地)で建物側が河岸段丘(台地)になっており、

台地の上を走る敷地背面の道路の高さに合わせました。(道路より+5~10cm)

道路側に駐車場を設け、擁壁を兼ねたコンクリートのブリッジから水平移動で建物へと導かれます。

フロアーラインが高くなったリビングの大開口からは、河川越しに吾妻連峰を望み、

借景をふんだんに取り込んだ見晴らしの良いリビングです。

子育て世代のご夫婦の希望で、片流の屋根に矩形のワンルームの様な単純明快な間取とし、

片流れの建物の高い部分に寝室と将来を見据えた個室を設け、

その下部は階数に含まれないよう天井高を1.4m未満に抑えた収納としました。

コンクリートとライトグレーの金属サイディングのクールな外観ですが、

内部は桜の無垢フローリングとブラックチェリーのダイニングテーブルにより、

暖かみがあり光あふれる穏やかな住まいとなりました。

敷地面積:423.67㎡(128.16坪)

延べ面積: 88.39㎡( 26.74坪)

竣  工:2025年2月

リビングと借景