家族が巣立ち、コンパクトで暖かく、美術館の様に凜とて、そして普遍的に。
住宅地に囲まれた築30年の2階建てのこの家は、震災の痛みも少なく、主な居室は断熱窓が施され、玄関や水廻り以外は熱環境もそれ程悪くなかった。
シンプルに水平移動で暮らせるように、かつ費用もコンパクトにする為、1階のみのリフォームとしました。
2階は大きな物置として使用し、また屋根からの日射熱を和らげる空気層としての役割を持たせました。
LDKと寝室はひと繋がりの空間となるようにできるだけ壁と建具は撤去し、白い壁に床はオークのラフなフローリングを敷いて、美術館のような余計な物がないスッキリとした空間を目指しました。
また、新設の建具は床から天井までのフルハイトドアを採用し、建具の存在を消しています。
和室は洋間の寝室とし、終末の生活の利便性を高める為、押入を寝室に面した洗面所としました。
玄関ドアは、明るい玄関になるよう袖壁がガラスの断熱引戸に交換し、玄関・トイレ・脱衣室の窓には内窓を設置しヒートショック対策を施しました。
痛みの少ない外観は、樋の交換と屋根と外壁の塗装に留めています。
延べ面積:125.93㎡(38.09坪)
施工面積: 71.86㎡(21.74坪)※1階のみ
竣 工:2024年9月