敷地は東西に連なる丘陵地に挟まれた緩やかな谷地にあり、廻りには遮る物が何もありません。
冬場、谷地を吹き抜ける西風と、吹き下ろしの北風は強く、それを遮る為に建物のボリュームを西側と北側に配置し、そこからプランを整理して三角形の建物にたどり着きました。
室内は諸室を西と北の三角形の底辺にL字型に集め、残ったスペースが広場のようなリビングとなり、廊下無しで全ての諸室に出入りできる合理的なプランです。2階は大きな小屋裏空間となりますが、1階と同じように諸室をL字に配置し、残りのスペースが吹き抜けとなります。
施主が土木建設業を営んでおり、擁壁と整地、基礎を自身で手掛け、これまでの自身の付き合いから大工や各職方を手配し、本人が現場監督としてまとめあげました。
構造体、特に複雑な三角形の小屋組では、見積りの段階から大工とプレカット会社と何度も打合せを重ねて平面も立面も大三角形の家を実現することができました。
敷地面積:520.97㎡(157.59坪)
延べ面積:147.22㎡(44.53坪)