敷地は昭和49年に開発された団地で、そのコミュニティーはすでに醸成されており、その一区画に新たに子育て世代の夫婦が入居します。
昼間の住宅地では、南側に大きな開口部を設けながらもカーテンを締め切っている住宅をよく目にします。
近隣の視線を遮り適度な距離感を保ちながらも、リビングからカーテンを無くし昼夜問わず開放的なリビングとする為に内庭を設けました。
また、敷地の南側は共用地(公園)となっており、共用地の空を借景として取り込む為に、内庭の上部に大きな開口を設けました。
深く出した軒先には雨樋を設けず、雨の日でも解放できる内庭のデッキに足を投げ出し、大きな開口部から軒先をつたいポタポタと落ちる「しずく」を望みます。
また、内庭にはにじり口の様な出入り口を設け、近隣住民と井戸端会議ができるようなしつらえとしました。
天井や軒天には木毛セメント板、キッチンカウンターの立上りにはコンクリートブロック、キッチンの床にはフレキシブルボードを用い、無骨ながらも居心地のよい住まいとなっています。
敷地面積:205.87㎡(62.28坪)
延べ面積:118.01㎡(35.70坪)