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大きな窓の小さな家

私が新しい所帯を持つ為、実家の2階建ての棟を解体し、空いた場所に完全二世帯住宅を増築しました。増築した場所は敷地の奥まった部分で狭く、1・2階とも10坪程度の狭小住宅です。

敷地の東側には市街化調整区域の休耕田が広がり、将来に渡り建造物が建つことはないので、東側に大きな窓を設け、朝日と眺望を建物内に取り込む東側に開いた計画としました。

外壁に用いた鎧張りのレッドシダーは無塗装のままとし、徐々にシルバーに変色していく経年変化を楽しみます。

一方、西側と北側は、夏のジリジリとした西日と冬の季節風(吾妻おろし)を考慮し開口を最小限に抑え、屋根材と同じ黒色のガルバリウム鋼板を外壁まで降ろし、閉じた外観としました。

内部は東側の眺望を最大限に活かす為、2階に大きな窓と吹抜けのあるLDKを設けました。なるべく間仕切壁を少なくし、廊下を省き、階段ホールを室内に取り込むことで、高低差や奥行きを利用し小さいながらも広く感じられる工夫を随所に施しています。

LDKの中心に家族団欒の場としてソメイヨシノの天板の大きなダイニングテーブルを据えました。

なお、江戸後期の納屋に使われていた丸太の梁材を製材所に持ち込み、化粧材にリユースし建物のアクセントとしています。

敷地面積:236.88㎡(71.66坪)

延べ面積(増築部):70.32㎡(21.27坪)

2024年 第24回 ふくしま住宅建築賞「優秀賞」

遠景